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【转道魔幽影】【聽寫稿】AIR廣播劇第1卷
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超长~~不告诉你~~
没有……
我有,不知道
对QQ过敏~~
Yahoo就是半个MSN……
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nemoma
真正的中二就在这里!
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nemoma
2011-07-23 21:55
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T
---以下原文---
【聽寫稿】AIR廣播劇第1卷
聽寫:道魔幽影
校對:KotomiFC會長
感想:在下還未夠班啊啊啊啊啊~>_<
===================================
AIR 第1巻 神尾観鈴・DREAM(前編)
01. 往人の夢
往人の母:「この人形はね、ひとを笑わせる…楽しませることができる道具なの」
往人の母:「動かしてみて」
往人:「できない。どうすればいいのかわからない」
往人の母:「こうするのよ。指先を当てて…」
往人の母:「思えば通じる。思いは通じるから」
往人:「思い?」
往人の母:「今、往人はどう思ってる?」
往人の母:「人を笑わせたいと思ってる?」
往人:「……っ」
往人の母:「そうじゃないと動かないよ?」
往人の母:「動かしたい思いだけじゃなくて、その先の願いに触れて、人形は動きだすんだから」
※ ※ ※ ※
往人:「ひどい揺れだな…この道」
往人:「空と海が…見える」
女の子:「タカシ、何してるんのよ…」
男の子:「ちょっと、お姉ちゃん、セミの抜け殻~」
女の子:「やだ。そんなの持って来ないで」
男の子:「だって、こんなきれいなのはじめて見た。夏休みの宿題」
女の子:「やだ」
男の子:「でも…綺麗だよ」
往人:「おい、そうだ、そこの子供たち」
子供たち:「ん?」
往人:「今からオレが、芸を見せてやるからな」
往人:「さあ、楽しい人形劇(にんぎょうげき)の始まりだ。動け」
※ ※ ※ ※
往人の母:
『この空の向こうには、翼を持った少女がいる』
『それは、ずっと昔から』
『そして、今、この時も』
『同じ大気の中で、翼を広げて風を受け続けているの』
※ ※ ※ ※
往人:「どうだ、すごいだろう」
男の子:「朝顔(あさがお)の成長記録、なんてどう?」
女の子:「あ、いいね。だから、早くそのセミ捨てて」
往人:「おまえたち…」
男の子:「いいじゃん」
女の子:「よくない~」
男の子:「なんで~」
女の子:「よくないったらよくないの~」
往人:「…まあ、いいさ」
男の子:「だから、なんで~」
女の子:「だって気持ち悪いんだもん」
往人:「なあ、おまえたち、オレの芸を見たんだ。払うものがあるだろう?」
男の子:「何かいってるよ、お姉ちゃん」
女の子:「無視しないとダメっ」
往人:「なに?」
男の子:「あ、これ蹴(け)りながら帰ろうよ」
往人:「これ…?」
男の子:「えい~」
女の子:「こら~」
往人:「あっ、オレの人形」
女の子:「あっ、タカシっ~」
男の子:「それっ」
往人:「ふぅ…」
往人:「で、なんだっけ…」
往人:「ラーメンセット」
往人:「…違う」
往人:「人形を探しにいかないとなあ…」
※ ※ ※ ※
BGM:鳥の詩
往人:
歩きながら、顔を上げる。
視線の先には空が広がっていた。
一面が青に染まり、夢の続きを見ているような気がした。
空にいる翼を持った少女、オレが幼い頃、母親に聞いた物語。
オレは、いるのかどうかも分からないそんな少女を探して、旅を続けている。
物語と一緒に母親から受け継いだ人形とともに…
ふっと陽光が揺らぐ、見上げると一羽(いちわ)の鳥が翻り、空を目指していた。
AIR DREAM 神尾観鈴 前編
02. 出逢い
往人:「どこまで飛んでったんだよ…」
少女:「うーん…」
少女:「うんっ…」
少女:「こんにちはっ」
往人:「えーと…」
少女:「あれ…」
往人:「さっさと探さないとな…」
少女:「あの、こんにちはっ」
往人:「オレか?」
少女:「うん」
往人:「なんかようか?」
少女:「遊びに行きませんか?」
往人:「は?」
少女:「浜辺(はまべ)、昨日、遊んでたんですよ、子供たちが」
少女:「ずっと眺めてたんです」
少女:「楽しそうだなぁ、わたしも遊びたいなって」
往人:「いや…オレは忙しいんだ」
少女:「えっ、でも子供に何かして見せてた」
往人:「あ…」
少女:「バス停のところ」
往人:「見てたのか?」
少女:「うん」
少女:「声かけようかと思ったんだけど、急がしそうだったし…」
少女:「さっきは目つぶってたから、寝てるのかと思って…」
往人:「考え事してたんだ」
少女:「考え事?」
往人:「探し物してるんだ。そのことで今いっぱいなんだ」
少女:「じゃ、一緒に探しますねー」
往人:「え…」
少女:「この辺りですか?」
往人:「北極か南極のどっちかだと思う」
少女:「北極か南極…じゃ、行ってきますね」
往人:「本当に行っちまった」
往人:「探すか…」
少女:「はぁ…はぁ…」
少女:「北極も…南極も…すごく遠い」
往人:「そうだな。かなり遠い」
少女:「バスに乗るところで気づいたの」
少女:「もしかして…嘘かなって」
往人:「嘘だ」
少女:「どうしてそんな嘘つくかなぁ…」
往人:「あのな、別に手伝ってくれなくても…」
少女:「あ」
少女:「探し物ってなんなんですか?」
往人:「北極ぐま」
少女:「…嘘ですよね?」
往人:「本当だって言ったら、北極までいくのか、おまえは」
少女:「どうしてそんなイジワル言うかなぁ…」
往人:「暑いだろ。帰れよ」
少女:「平気ですよ。慣れてるから」
往人:「おい、学校はいいのか」
少女:「見つけました」
往人:「本当か?」
少女:「ほら、カブト虫」
往人:「………」
少女:「あれ? 探し物、ちがう?」
往人:「そんなものをこんなに必死で探すか」
少女:「友達かと思って」
往人:「なるほど。俺は虫が友達。そんな奴に見えるんだな」
少女:「うん。友達。はい」
往人:「………」
往人:「探しているのは人形だ」
少女:「人形?」
往人:「手で縫ってあって、中に綿(わた)が詰めてある」
少女:「人形…了解」
03. 友達
少女:「あ…見つけた」
往人:「なんだよ。今度はクワガタか?」
少女:「ううん、人形」
往人:「え…?」
少女:「あそこ、木の枝の先」
往人:「刺さってる」
少女:「鳥が狙ってるよ」
往人:「危なく食われるところだった…」
少女:「良かったですね」
往人:「ああ」
少女:「これで遊べますね」
往人:「誰と」
少女:「わたしと」
往人:「どうして?」
少女:「人形、一緒に探した」
往人:「オレと遊ぶために、手伝ったってのか」
少女:「にはは」
往人:「あのな、悪いけど…」
少女:「砂浜で遊ぶの…」
往人:「………」
少女:「かけっこしたり、水の掛けあいしたり」
少女:「そして、最後に『また明日』ってお別れするんです」
往人:「そんなの友達とやれよ」
少女:「うん。わたしたち、友達」
往人:「会ったばかりだろ」
往人:「さっき拾ったカブト虫とでも遊んでくれ」
少女:「あの子は、つがいだった。メスのカブト虫とどこか行っちゃった」
往人:「そりゃ残念だな」
少女:「うん、だから遊ぼ」
少女:「遊びたいな」
往人:「あのな、まだ用事があるんだ」
少女:「え? そうなんだ…」
往人:「だから、また今度な」
少女:「ちょっと残念」
少女:「あ、もしね…もし、次の用事も手伝えるようだったら手伝う、わたし」
往人:「もう遅いぞ。帰れ」
少女:「お母さん、夜すごく遅いし、怒られないし」
往人:「次の用事はな、金を稼ぐことなんだ」
少女:「お金?欲しいものあるんですか?」
往人:「切実に欲しているものがあるんだ」
少女:「なんなんですか?」
往人:「おまえには関係ないだろ」
往人:「じゃあな。世話になった」
少女:「…ご飯」
往人:「………」
少女:「ご飯とか、どうするんですか?」
少女:「良かったら、わたしの家で食べませんか」
往人:「マジか」
少女:「うん、マジ」
少女:「食べたいものあったら、なんでも言ってください」
※ ※ ※ ※
少女:「どう?ラーメンセットってこれでいいの?」
往人:「ああ、うまい」
少女:「ふたりでご飯」
往人:「いつもひとりなのか」
少女:「お母さん、帰り遅いから」
往人:「そうか…」
少女:「おいしい…」
往人:「ああ」
往人:「神尾(かみお)って言うんだな」
少女:「え、どうしてわかったの?」
往人:「表札(ひょうさつ)に書いてあった」
少女:「あ、そっか」
少女:「神尾観鈴。観鈴(みすず)って呼んでほしい」
往人:「神尾じゃダメか」
少女:「ダメじゃないけど…観鈴のほうがうれしい」
往人:「機会があったらな」
※ ※ ※ ※
往人:「ふぅ~ご馳走さん」
観鈴:「はい。これ洗ったら遊ぼ?」
往人:「いや、あんまり長居(ながい)すると」
観鈴:「まだ大丈夫。お母さん帰ってくるの、もっと遅くだから」
往人:「違う。あんまり遅くなると、オレも宿(やど)を決めにくくなる」
観鈴:「あ…」
往人:「なんだ」
観鈴:「家に泊まってくださいっ」
往人:「あのな、オレたちは今日会ったばかりだぞ。それを泊めるか、普通」
観鈴:「わたしたち、友達」
往人:「違う」
観鈴:「お母さんには、クラスメイトだって言うから」
往人:「そういう問題じゃないだろ」
観鈴:「お母さん、そういうの気にしないと思う。」
観鈴:「だから、ほんと泊まっても大丈夫」
往人:「あのな…」
観鈴:「大丈夫だから」
往人:「はぁ…疲れてるんだ」
観鈴:「うん」
往人:「すぐに寝てしまってもいいか」
観鈴:「うん。夏休みに入ったら、遊ぶ時間たくさんある」
往人:「あのな…」
観鈴:「じゃ、居間にお布団敷くねー」
往人:「夏休み?いつまで引き止めるつもりだ、アイツ」
※ ※ ※ ※
往人の母:
『同じ大気の中で、翼を広げて風を受け続けている』
『そこで少女は、同じ夢を見続けている』
『彼女はいつでもひとりきりで…』
『大人になれずに消えていく』
『そんな悲しい夢を、何度でも繰り返す…』
04. 晴子の願い
どーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!
往人:「……!!」
観鈴:「お母さんだ」
往人:「あぁ…?」
観鈴:「バイクで納屋(なや)に突っ込んだみたい」
往人:「マジか」
観鈴:「またお酒飲んでるなぁ…」
往人:「飲酒運転かよ…」
観鈴:「まあ、よくあることだし」
往人:「ダメだろ、それ」
観鈴:「起こしてごめんね。寝てていいよ」
観鈴:「お母さんには、わたしから話しておくから」
往人:「大丈夫なのか?」
観鈴:「うんうん、大丈夫。寝てて」
観鈴:「おかえりなさい」
観鈴:「あのね、今、友達が来てて、帰るところないから…」
観鈴:「わ、待って、お母さんっ」
観鈴の母:「却下(きゃっか)」
観鈴:「お母さん…あのね…」
観鈴の母:「こんな若っい男、泊められるわけあらへんやろう」
観鈴:「が、がお…」
ぽかっ。
観鈴の母:「その口癖治しぃって、なんどゆうたらわかるんや!」
観鈴:「でも、このひと…寝るところないんだよ」
観鈴:「それに、いいひとだと思うんだよ」
観鈴の母:「…あんた」
観鈴の母:「観鈴とはどんな関係や」
観鈴:「クラスメイト」
観鈴の母:「それにしては、歳食(としく)うとるんやないか?」
観鈴:「……ぅ」
観鈴の母:「こいつ、名前なんて言うんや」
観鈴:「あ…えっとね…」
観鈴:「たぶちさん」
往人:「違う…」
観鈴の母:「田淵(たぶち)さん、ふ~ん…わかった。泊めてやってもええ」
観鈴:「やった。本当?」
観鈴の母:「納屋やったらな」
観鈴:「わ…」
※ ※ ※ ※
観鈴:「ごめんね。お母さん、酒癖(さけぐせ)悪いんだよ」
観鈴:「飲まなかったら、いいひとなんだけど…」
往人:「想像できん…」
観鈴:「そうかな。お布団、ここに敷くね」
往人:「ああ」
往人:「そんなことより、田淵ってなんだ」
観鈴:「田淵…知らない?すごいんだよ」
往人:「おまえの言う田淵がどんな奴かは知らないが、やめてくれ」
観鈴:「だって…」
往人:「俺にはちゃんと国崎(くにさき)という姓があるんだ」
観鈴:「国崎さん。下の名前は?」
往人:「往人(ゆきと)」
観鈴:「往人さん」
往人:「無意味に呼ぶな」
観鈴:「観鈴&往人さん」
往人:「勝手に『&』で繋げるな」
観鈴:「どうしたらいいのかなぁ…」
往人:「にしても、あれだけ豪快(ごうかい)な親もなかなかいないぞ」
観鈴:「うん…嘘つくのすごく恐かった」
往人:「案外見抜いてんじゃないのか?」
観鈴:「そんなことないと思う。お母さん、適当なだけ」
往人:「でもまあ、おまえを心配してんだろ」
観鈴:「そうかなぁ」
往人:「そうかなぁって、嫌いなのか」
観鈴:「そんなことないよ。しゃべり方とか大好き」
往人:「あのしゃべりは気圧(けお)されるものがあるな…」
観鈴:「そう。だから、考え方もしゃべり方と一緒ですごく強引」
観鈴:「軟弱(なんじゃく)なひととか、大嫌い」
観鈴:「その点、往人さんなら大丈夫」
観鈴:「体大きいし、腕太いし、目つきコワイし」
往人:「そうか」
観鈴:「目つき、すごくコワイし」
往人:「そこだけ繰り返すな」
観鈴:「でもそういう人のほうが優しいひとだって」
往人:「誰が言ってた」
観鈴:「わたし思う」
往人:「あのな、目つきが悪いのは、目が悪いか、本当に人の悪い奴だ」
観鈴:「そうかなー。そんなことないと思うよ」
往人:「そろそろ寝る」
観鈴:「うーん、そうかなぁ。そんなことないと思うけどなぁ」
観鈴:「ね、往人さん…寝た?」
観鈴:「はぁ…おやすみ」
往人:「腹減ったなぁ」
※ ※ ※ ※
観鈴の母:「なにしとんのや」
往人:「しまった。見つかったか…」
観鈴の母:「電気つけて物音たてて、見つからんとでも思うたんか」
往人:「こそこそしているよりかはいいと思っただけだ」
観鈴の母:「せやな。そういうはごっつ嫌いや」
観鈴の母:「かといってや、堂々と食べ物を漁られるのが好き、というわけでもあらへん」
往人:「腹が減ってるんだ。見逃せ」
観鈴の母:「うち男を見る目はあるつもりやが、あんたかわっとってようわからんな…」
観鈴の母:「あんた、何者や」
往人:「田淵」
観鈴の母:「名前なんか聞いてへん」
往人:「22番」
観鈴の母:「背番号も聞いてへん」
往人:「鉄人」
観鈴の母:「ニックネームも聞いてへん。素性(すじょう)聞いてるんや」
往人:「クラスメイト」
観鈴の母:「あの子にどんな入れ知恵されとんのや…ったく」
観鈴の母:「しゃあない…じっくり聞かせてもらおうか」
※ ※ ※ ※
ごくんごくん…
観鈴の母:「うちは晴子いうねん」
往人:「オレは…国崎往人」
晴子:「家出か」
往人:「違う」
晴子:「理由もなしに、宿無しにはならんやろ」
往人:「旅をしてるんだ」
晴子:「旅?はっ、なんや、夢でも追いかけとるんか」
往人:「夢か…まあ、そうなるな」
晴子:「夢…なるほど。まあ宿がいるのは間違いないわけや」
往人:「…そうなる」
晴子:「うん。ちゃんと家のルールを守るんやったら、構わへんけど」
往人:「マジか」
晴子:「男手(おとこで)がないしな、この家は」
晴子:「それに、あんたのことは観鈴も信用しとるみたいや」
晴子:「今は、信用しといたるわ」
ごくんごくん…
晴子:「その代わりや」
往人:「………」
晴子:「見ての通り、仕事が夜型(よるがた)で、あの子の面倒、あんまり見られへん」
晴子:「もうすぐ夏休みやし。特に心配な時期や」
晴子:「あの子、そそっかしいし、鉄砲玉(てっぽうだま)のようなとこあるからな」
晴子:「なんか面白そうなもん見つけたら、ぴゅーって飛んでいくねん」
晴子:「あんた、頼まれてくれるか」
往人:「なにをだ」
晴子:「あの子のそばにいてやってくれるだけでええ」
往人:「あのな、そんなの…」
晴子:「アホなことしそうになったら、頭ひっぱたくだけでええから」
晴子:「なあたのむわ…」
往人:「わかったよ」
ごくんごくん…
晴子:「はっ、後、あの子が口癖を言うたときも注意してもらえへんかな」
往人:「口癖?」
BGM:銀色
晴子:「がお…って言うやろ、たまに」
往人:「がお?」
晴子:「困ったときとか、泣きそうなときにや」
往人:「そう言えば、言ってたような気もする」
晴子:「恐竜(きょうりゅう)の鳴き声の真似なんや」
晴子:「あの子、恐竜が好きでな…」
晴子:「小さいとき、うちがあの子、夜店に連れてったんやけど…」
晴子:「そういうところでよう売っとるやろ、ひよこ」
晴子:「あの子な、なんでかひよこを恐竜の子供や思い込んでたねん」
晴子:「そんでごっつほしがってなー、買って買って言うんや」
晴子:「でも、そんときうち、ごっつ貧乏でな」
晴子:「せやから、買われへんかったんや」
晴子:「それ以来な、何かにつけて、がおーっ、て言う癖がついたんや」
晴子:「この歳になっても、治ってへん」
晴子:「今でも子供や、あの子は」
往人:「……ふ」
晴子:「なんや、笑(わろ)とるんかいな」
往人:「変なヤツだな」
晴子:「あの子も、あんたには言われとうないやろな」
晴子:「あんたら、よう似てんよ」
晴子:「飲もか」
往人:「まだ飲むのか?」
晴子:「あほ。これからやないか」
往人:「いつまで飲むつもりだ」
晴子:「夜が明けるまでや」
往人:「ひとりで飲めよ」
晴子:「それやったらいつもと変わらん」
往人:「旦那とでも飲めばいいだろ」
晴子:「最初に『男手がない』ん言うたやろ、そんなもんおらんわ」
往人:「そうなのか」
晴子:「そうや」
往人:「それでいつもひとりで朝まで飲んでるのか」
晴子:「あの子未成年(みせいねん)やし」
晴子:「でもあんたは大人の男や。飲めるわな?」
往人:「まぁ…飲めないことはないが」
晴子:「よっしゃ飲め」
05. 終業式
観鈴:「ご馳走さま」
観鈴:「大丈夫?」
往人:「いや…これが二日酔(ふつかよ)いというやつか」
観鈴:「わたし、学校だけど」
観鈴:「往人さん、どうする?」
往人:「ついていく」
観鈴:「え?」
往人:「晴子から頼まれたんだ」
観鈴:「なにを?」
往人:「お目付役だ。おまえが馬鹿なことをしでかさないように」
観鈴:「はぁ…わたしまるで信用ナシ」
往人:「だから、学校までは送る」
観鈴:「うん。わかった、一緒にいこ」
観鈴:「往人さん、手ぶら?」
往人:「オレがおまえの学校へなにを持って行くんだ」
観鈴:「わっ」
往人:「カラス」
観鈴:「カラスだ」
往人:「おい、なにを」
観鈴:「カラス、触ってくる」
往人:「好きにしてくれ」
観鈴:「うん~にはは」
往人:「バカか、おまえは」
往人:「そんな勢いで近づいたら、逃げられるに決まってるだろ」
観鈴:「友達になれるかなって思ったのに」
往人:「おまえ、クラスメイトに対しても、がおーっ!とか言って迫ってるんじゃないのか?」
観鈴:「してないしてない」
観鈴:「でも、悪気(わるぎ)がないのに、こそっと近づくのもヘンだと思うし」
往人:「そんなの、いつまでたっても触れないぞ」
観鈴:「にはは、そうだねー」
往人:「誰もいないぞ」
観鈴:「急がないとダメでした…」
往人:「オレのせいじゃないからな…おまえがカラスとか追いかけてるから」
観鈴:「終業式(しゅうぎょうしき)の途中から入るのは恥ずかしいから、HR(ホームルーム)から出ようっと」
往人:「終業式だったのか」
観鈴:「うん」
往人:「いいのか、そんな適当で」
観鈴:「うん、いいと思う」
観鈴:「誰も心配しないし。行こう、往人さん」
※ ※ ※ ※
観鈴:「気持ちいい」
往人:「不良学生だな」
観鈴:「そんなことないない」
観鈴:「ま、友達は少ないけどね」
往人:「最初に会ったときも、そうやってたな」
観鈴:「うん」
往人:「空に何かあるのか?」
観鈴:「小さい頃から、空にずっと思いを馳せてた」
往人:「どうして」
観鈴:「わかんない。ただ…」
観鈴:「もうひとりのわたしが、そこにいる」
観鈴:「そんな気がして」
往人:「もうひとり…」
観鈴:「ロマンチックだよね」
観鈴:「本当のわたしは空にいるの。ずっと風に吹かれて、どこまでも遠くを見渡せて…」
観鈴:「地上にいることなんて、ぜんぶちっぽけに見えて…」
観鈴:「きっとすごく、優しい気持ちになれるんだよね」
往人:「この空の向こうに…」
往人の母:『この空の向こうには、翼を持った少女がいる』
観鈴:「どうしたの?」
往人:「オレが探してるのは、もうひとりのおまえかもしれない」
観鈴:「え…?往人さん、ひとを探してるの?」
往人:「ああ」
観鈴:「どんなひと?」
往人:「わからない」
観鈴:「そのひとは、空の上にいるの?」
往人:「………」
観鈴:「往人さん?」
往人:「バカ、冗談だ」
往人:「空が飛べるなら、おまえはここにいないだろ?」
観鈴:「その子は、飛べるのかな」
観鈴:「わたしも飛びたいな」
往人:「おい、危ないぞ」
観鈴:「わっ!」
往人:「バカ…」
観鈴:「やっぱり、羽がないと飛べなかった」
往人:「そんなに飛びたいんだったら、飛行機にでも乗れよな」
観鈴:「違うよ。自分の体で風を切る。それは、本当に自分で飛ばないとできないことだもの」
往人:「………」
観鈴:「あ、そろそろわたし、いくね」
往人:「ああ」
往人:「さて…」
往人:「さっさと旅費(りょひ)を稼いでおさらばするが」
06. 人形劇
往人:「一番栄えてるのはこのあたりか」
往人:「よし…」
子供:「何が始まるの?」
往人:「さあ、楽しい人形劇の始まりだ」
子供:「あ、動いた」
子供:「なんだこの人形?」
往人:「すごいだろ?」
子供:「歩くだけ?」
往人:「……」
子供:「あ、アイス溶けちゃうよ」
子供:「あ、溶けちゃう、溶けちゃう」
観鈴:「往人さん?なにしてるの?」
往人:「早いな」
観鈴:「ねえ、なにしてたの?」
往人:「別に…」
観鈴:「えー、男の子たちとなにかしてた」
往人:「学校は?」
観鈴:「終わったよ。終業式とHRだけだもの」
観鈴:「それよりずるい。わたしとは遊んでくれなかったのに、男の子たちと遊んでた」
往人:「仕事をしてたんだ」
観鈴:「仕事?男の子たちと?」
往人:「俺の仕事は、子供相手のものなんだ」
観鈴:「子供相手…どんな?」
往人:「教えられるか」
観鈴:「どうして?」
往人:「学校終わったなら、さっさと帰れ」
観鈴:「が、がお…」
ぽかっ!
観鈴:「あ、イタイ…どうして打つかなぁ」*
往人:「おまえの母親に言われたんだよ。その口癖言ったら殴ってやれって」
観鈴:「そんなこときかないでいいのに」
往人:「わかったら帰れ」
観鈴:「どうしても…」
往人:「ダメだ」
観鈴:「見せてくれたら、おこづかいで好きなものおごるのにな」
往人:「仕方ないな。そこまで言うのなら」
観鈴:「これ…あのときの人形」
往人:「見てろ」
往人:「動け」
観鈴:「わ、人形…立った」
往人:「歩くぞ」
観鈴:「本当だ。歩いてる」
往人:「こうやって芸をして、子供を楽しませる」
往人:「オレの母親も、これをやってた。俺もそれを引き継いだ」
観鈴:「あ、カラス…」
往人:「待て、俺は誰の頼みを聞いて、芸を見せてるんだ?」
観鈴:「わたし」
往人:「そうだ」
観鈴:「でもね、カラスは逃げるから、先に触ってくる」
観鈴:「カラス~」
ぱたぱた
観鈴:「わ、羽黒い」
往人:「オレの芸は後回し…」
観鈴:「おいでおいでおいで…あっ」
観鈴:「やっぱり逃げられちゃった」
観鈴:「あれ?なんか元気ない?」
往人:「いや、別に…」
観鈴:「あ、往人さんの芸の続き」
往人:「いや、もういい…」
観鈴:「終わり?」
往人:「なんか感想あるか?」
観鈴:「すごい?」
往人:「なんで疑問形なんだ?」
観鈴:「すごい…」
往人:「他に感想ないのか」
観鈴:「すごい?」
往人:「おまえ、馬鹿にしてるだろ」
観鈴:「ううん、本当にすごいよ…」
往人:「これはすごいんじゃなくて、おもしろいものなんだ」
観鈴:「え、笑わないとだめなんだね」
観鈴:「あれ…落ち込んでる?」
往人:「これで商売やってんだぞ」
観鈴:「あ…でも、子供たちは喜ぶんだよね」
往人:「一様(いちよう)に真顔(まがお)だな」
観鈴:「でも、それで稼いでるんだよね?」
往人:「小銭(こぜに)をくれるのはその親たちだからな」
観鈴:「じゃ…おもしろくない?」
往人:「おまえには二度と見せない」
観鈴:「わ、どうしてそんなこと言うかなぁ…」
往人:「ここまで、けちょんけちょんに言われたのは初めてだ」
観鈴:「だって、なんか普通に歩いてるだけだったし…」
観鈴:「でも、すごいよねぇ。どうやってるの? 糸かな?」
往人:「法術(ほうじゅつ)だ」
観鈴:「法術?」
往人:「手品(てじな)みたいなもんだ、タネも仕掛けもないけどな」
観鈴:「本当?」
往人:「オレの家系に引き継がれてる力だ」
観鈴:「すごい」
往人:「昔はもっと、すごい力があったらしいけどな」
往人:「今や人形を動かすことしかできない」
往人:「しかも、人を楽しませるユーモアもないときた」
往人:「この力は、俺の代で終わりだろうな」
観鈴:「もしかして…わたしが終わらせた?」
往人:「その一端は担ってるだろうな」
観鈴:「でも、往人さんの法術、わたし好きだよ」
観鈴:「人形さん動かせるんだもんね」
※ ※ ※ ※
テレビ:『ダメだよ!攻撃がきかないよ!』
テレビ:『くそ…レッド!』
テレビ:『よし、こい…』
観鈴:「往人さん、それ見終わったら遊ばない?」
テレビ:『行くわよ!』
往人:「なにをして?」
観鈴:「トランプ」
往人:「宿題はないのか?」
観鈴:「ぅ…ある」
往人:「宿題しろよ」
観鈴:「じゃ、宿題したら遊んでくれる?」
観鈴:「わっ、やられちゃった」
往人:「まっ、こんなとこだろうな」
ずがーーーーんっ!
往人:「あっ!?」
観鈴:「お母さんだ」
往人:「また酔ってるのか」
観鈴:「にはは」
晴子:「ただいまやぁ~」
往人:「頑丈(がんじょう)だな」
晴子:「あー、居候(いそうろう)はまだ寝てないやろうなーっ」
往人:「この通り」
晴子:「ふぅ。さ、飲もうか」
※ ※ ※ ※
観鈴:「あのね、お母さん。往人さん、すごいんだよ。すごいことできるんだよ」
晴子:「なんや」
往人:「二度とやらないと言っただろ」
観鈴:「どうしてそんなこと言うかなぁ…」
晴子:「なんや。ええから見せんかい?」
往人:「わかったよ」
観鈴:「やった。お母さん強い」
往人:「けど、これが最後だからな」
晴子:「人形やなぁ」
往人:「動け」
晴子:「おおー」
往人:「どうだ」
晴子:「あ?観鈴、これ、オチないんか」
観鈴:「うん、ない!」
晴子:「あかん。こいつ、センスないわ」
往人:「……っ」
観鈴:「でも、すごいよね。タネも仕掛けもないんだよ」
晴子:「そんなん関係あるかい。糸で吊ってるんが見え見えでも、おもろいほうがええわ」
往人:「納屋で寝る…」
観鈴:「わ…自ら納屋に行こうとしてるし…」
晴子:「わはは、別にそんな才能なんてなくてもええやん、居候!」
往人:「死活(しかつ)問題だぞ、俺にとっては…」
※ ※ ※ ※
晴子:「わははーわははー。あ、観鈴眠いんか?」
観鈴:「うん…ちょっと…」
晴子:「それやったら、ほら、ここ。ふぅ、膝貸したるから、寝てええよ」
観鈴:「なに言ってるの、子供じゃあるまいし」
観鈴:「もう、寝るね。おやすみ、往人さん、お母さん」
往人:「嫌われてるんだな」
晴子:「うち、親なんかに向いてないねん」
往人:「それは見ればわかる」
晴子:「あの子もヘンやしな」
往人:「ヘンって?」
往人:「自分で生んどいて酷い言い草だな」
晴子:「生んでへんよ」
往人:「母親が産まないでどうやって生まれるんだよ」
晴子:「ある日ふっと現れることもあるんや」
往人:「なんだそりゃ?」
晴子:「ふっ、でもあの子、あんたが来てから元気やわ」
往人:「そうなのか?」
晴子:「できたら、ずっと友達でいたってや」
07. 夏休み
往人:「今日から夏休みだろ?」
観鈴:「うん。でも、補習(ほしゅう)あるから」
往人:「補習…?」
観鈴:「遅刻多いし、成績もよくないしね」
往人:「今何時だ?」
観鈴:「うん。今日も残念」
往人:「補習まで遅刻するなよ、どうするんだ?」
観鈴:「休み時間に入っていって、あたかも一時間目からいました~って顔して座ってる」
往人:「バレバレだろ」
観鈴:「わたし、存在感ないから、みんな気にも留めないの」
往人:「なにやってんだ、おまえ」
観鈴:「絵日記。自由課題」
往人:「どっちなんだよ」
観鈴:「自由課題が、絵日記」
往人:「違うだろ。それは別々のものだ。一緒にするな」
観鈴:「だから、すごいの。先生もびっくり」
往人:「そらびっくりするだろうよ。おまえの歳で絵日記なんて描かれた日には」
観鈴:「観鈴ちん、すごい」
往人:「そんなものより、地図を描いてくれないか」
観鈴:「ん? どこの?」
往人:「この町のだよ」
往人:「もっと人の賑わう場所とか、知りたいんだ」
往人:「でないと、本当に、いつまでもおまえの家に居座ることになる」
観鈴:「えっと、補習終わってから、案内する、じゃダメ?」
往人:「今から暇だからな。すぐにも動きたい」
観鈴:「そっか。うん、わかった」
観鈴:「がおーっ…と」
……
観鈴:「はい」
往人:「早いな、おまえ…」
観鈴:「ちょうど時間」
観鈴:「お昼にまたね」
往人:「おっ」
往人:「ふっ、これで地図のつもりか、アイツ」
※ ※ ※ ※
BGM:夏影(なつかげ)
往人:
「母親に聞かされた物語のイメージを」
「オレはずっと探していた」
「何かに押されるように、町から町へと歩き続けていた」
「この町に降りたのは、なぜだったろう」
「空が目の前に広がるように見えたからだったろうか」
「そろそろ学校が終わる時間だな」
「戻るか」
※ ※ ※ ※
往人:「よ」
観鈴:「往人さん」
往人:「待ったか」
観鈴:「ううん。帰ろ」
往人:「ああ」
観鈴:「どうだった?」
観鈴:「お金、稼げた?」
往人:「ああ。ばっちりだ」
観鈴:「そう…」
往人:「どうした?」
観鈴:「ううん、よかったね」
観鈴:「これで、ここ出られるね」
往人:「そうだな…」
観鈴:「じゃ、お祝いしよ?」
往人:「お祝い?」
観鈴:「往人さんのおごりで、ジュース飲もう」
往人:「なんで俺がおごるんだよ」
観鈴:「だって、たんまり稼いだんでしょ?」
往人:「嫌だ」
観鈴:「えー、ケチ」
往人:「ケチでいい」
観鈴:「カエル」
往人:「カエルでもいい」
観鈴:「オタマジャクシ」
往人:「オタマジャクシでもいい」
観鈴:「そうだよね。いつも黒いもんね」
往人:「そうだ。だからジュースも買わないし、飲まない」
観鈴:「いいよ。じゃ、私買うから」
観鈴:「オタマジャクシさんは、もうこの町出ていっちゃうんだね」
往人:「ああ、そうだな」
観鈴:「寂しくなるね」
往人:「そうか?」
観鈴:「そうだよ。オタマジャクシさん、おもしろい人だし」
往人:「一応、人なんだな」
観鈴:「違った、オタマジャクシさんはおもしろいオタマジャクシだった」
往人:「そうか?」
観鈴:「うん、楽しいオタマジャクシだった」
観鈴:「仕方ないよね」
観鈴:「オタマジャクシさんの門出にかんぱーい」
観鈴:「どうしたの?」
往人:「乾杯(かんぱい)しなくていい」
観鈴:「どうして?」
往人:「もう少し、この町に残ることにしたから」
観鈴:「え?」
往人:「さっきのはうそだ。まだ稼ぎが足らない」
観鈴:「ほんとう?」
往人:「稼ぎが足らないのがそんなにうれしいか」
観鈴:「えっ、うれしくない…」
往人:「この町にまだ残ろうと思ったのは、アイツの目がどこか悲しそうに見えたからだろうか」
※ ※ ※ ※
テレビ:『それでは、町の人の声を聞いてみました』
テレビ:『最近の政治についてどう思われますか』
テレビ:『これ、テレビ?これ、テレビ?』
観鈴:「えへへへ、ははは…」
往人:「これでよく笑えるな」
観鈴:「え?面白いよ、これ」
晴子:「ただいまやで~」
観鈴:「あ、お母さん」
往人:「今日は突っ込まなかったんだなぁ」
観鈴:「にはは」
往人:「なんだ、これは」
晴子:「見たらわかるやろ、ナマケモノや」
往人:「そんなのは見ればわかる、オレがいいたいのは」
観鈴:「お土産?」
晴子:「そうや」
観鈴:「わーー」
晴子:「あんたのやないで」
観鈴:「えっ」
往人:「おれのか?」
晴子:「そうや、あんな愛想のない人形捨てや、明日からこれで商売したらめっさ儲かるようになるで。もうご機嫌やん」
往人:「こんなものいるか!」
晴子:「天邪鬼(あまのじゃく)な子やなぁ、うれしいくせに」
往人:「この人形とは長いつきあいなんだよ、もう十年ずっと一緒に稼いできたんだ」
晴子:「十年、薄汚(うすぎたな)いはそのせいか」
往人:「薄汚くてもなんでもオレはあの人形でやる、こんなサルはいらん!」
観鈴:「えっ、ナマケモノさんかわいいのに」
往人:「じゃ、おまえにやる」
観鈴:「本当?」
晴子:「どうしても、うちのプレゼント受け取らんて言うんか?」
往人:「ああ」
晴子:「ほな、ぬいぐるみをあんたが買い取り」
往人:「なんでアンタが勝手に買ったものを買い取らなきゃならないんだ」
晴子:「うちが損するやろ」
往人:「明快すぎる」
晴子:「それまで、アンタの人形預かっとくわ」
往人:「どういう理屈だ」
晴子:「あんたが代金踏み倒して逃げるゆうこともあるさかいにな」
晴子:「もちろん、今、この場で代金が支払える言うんやったら、すぐ返したる」
往人:「いくらだ…」
晴子:「一万。どない?」
観鈴:「そんな…往人さんが払えるわけないよ」
往人:「そんなフォロー…」
晴子:「まぁ、頑張って稼ぎや」
晴子:「それとな、あんたが買い取るまでは、ぬいぐるみはうちからの真心のこもったプレゼントや」
晴子:「むげに扱(あつこ)うたら、こっちの人形も手荒く扱うで」
08. 少女
往人:「頑張って稼げか。こんなナマケモノで芸ができるかって」
往人:「はぁ…歩け」
往人:「こ、こえぇ…」
女の子:「あ、おサルさん」
往人:「ん?」
女の子:「おサルさん」
往人:「ナマケモノって言うんだ」
女の子:「ナマケモノさん~」
女の子:「すごくかわいい」
往人:「なぁ、ひとりか」
女の子:「かわいいなぁ」
往人:「怖くないのかこれ?」
女の子:「あ、動いた」
往人:「おい、親はどうした」
女の子:「あ、かわいい」
往人:「迷子かよ。まいったな」
※ ※ ※ ※
往人:「もう、泣くな…」
往人:「ちくしょう…一体どこの子供なんだ」
往人:「ただでさえ不案内な町だって言うのに」
観鈴:「往人さん、どうしたの?」
往人:「大変だったぞ」
観鈴:「かわいいね」
観鈴:「ずっと、この子と遊んでた?」
往人:「バカ。こっちはこいつのせいで、どれだけ苦労したか」
観鈴:「迷子?」
往人:「ああ」
観鈴:「名前は?」
往人:「わからん。本人に聞いてくれ」
観鈴:「お名前は?」
女の子:「6さい」
往人:「すげぇ名前だな」
観鈴:「往人さんは黙ってて」
往人:「わかったよ」
観鈴:「お名前は? お歳の前に言うものでしょ?」
女の子:「さいか、6さい」
観鈴:「さいかちゃん?」
女の子:「うん」
観鈴:「上の名前はわからない?」
女の子:「しの」
観鈴:「しのさいか。合ってる?」
さいか:「うん」
観鈴:「だって」
往人:「で?」
観鈴:「行こう」
往人:「どこに」
観鈴:「しのさんのお家」
往人:「知ってるのか?」
観鈴:「うん」
※ ※ ※ ※
さいか:「バイバイ~」
観鈴:「じゃあね、さいかちゃん」
往人:「行くか?」
さいか:「バイバイ~」
観鈴:「見て、あんなに手を振ってる」
往人:「おまえと別れるのがつらいんだろ」
観鈴:「違うと思うなぁ」
往人:「なんで?」
観鈴:「きっと、お友達なんだよ」
往人:「?」
観鈴:「往人さんのこと、お友達だって。だから、あんなに手を振ってるんだよ」
往人:「オレはうろたえてただけだぞ」
観鈴:「それでもだよ」
観鈴:「往人さん?」
往人:「おサルさんだ。お前にやる」
さいか:「おサルさん」
往人:「動け」
さいか:「あぁ~」
往人:「これもお前の友達だ。仲良くしてやってくれ」
さいか:「うん」
観鈴:「往人さん」
往人:「悪いな、あのぬいぐるみお前にやれなくなった」
観鈴:「ううん。いいよ、私には往人さんがいるもん」*
往人:「あ?」
観鈴:「なんでもないよ」
※ ※ ※ ※
晴子:「なんやて~?」
晴子:「うちのプレゼントをあげてしもうたやて?」
往人:「仕方ないだろ」
晴子:「なにやどう仕方ないんや」」
往人:「それはなぁ…まぁ、あれだ」
晴子:「あ?なんですか?きこえへん」
往人:「仕方ないものは仕方ないんだ」
往人:「一万円はそのうち用意する。それでいいだろ」
晴子:「なんでも金で解決できる思うたら大間違やで」
往人:「いい加減寝かせてくれ」
往人:「朝は観鈴を見送って、夜までアンタの相手をしていたら、オレはいつ寝るんだ」
晴子:「ねんで」
往人:「死ぬぞ」
晴子:「死なんわ」
往人:「つきあってられん」
晴子:「なぁ」
往人:「なんだよ」
晴子:「観鈴と…朝一緒に行ってくれとるんやな」
往人:「なんだって?」
晴子:「そうかそか、うち自分の部屋で飲むから、ここで寝てもええよ」
往人:「なんなんだよ、一体…」
09. 夏はいつか終わる
往人:「……ん」
観鈴:「往人さん」
往人:「……んん」
観鈴:「往人さん…往人さん、起きて、ご飯の支度ができたよ」
往人:「……んん」
観鈴:「あ…人形、お母さん返してくれたの?」
往人:「人形…あ、なに、人形?」
観鈴:「あ、おはよう」
往人:「今人形がどうとか言ってなかったか?」
観鈴:「うん。ほら、そこ」
観鈴:「返してもらったんだね」
往人:「あ、ああ…」
※ ※ ※ ※
観鈴:「これで、またお仕事できるね」
往人:「ああ…それはそうだなぁ」
観鈴:「どうしたの?」
往人:「仕事はできるが…」
観鈴:「大丈夫だよ」
往人:「うん」
観鈴:「笑ってくれるよ、子供たち」
往人:「どうかなぁ」
観鈴:「往人さんならできるよ」
観鈴:「昨日だって、さいかちゃんにぬいぐるみあげて、動かして見せてた」
観鈴:「さいかちゃんすごくうれしそうだった」
往人:「そんなんじゃない」
観鈴:「往人さんなら大丈夫」
往人:「行くぞ。また遅刻する」
観鈴:「うん」
観鈴:「楽しい」
往人:「なにが?」
観鈴:「二人は楽しい」
観鈴:「ずっと夏だったらいいのに」
往人:「ずっと暑いだろ」
観鈴:「そうだね。それはちょっと困るね」
往人:「それに過ぎていくから、思い出にできるんだ。いつまでも同じ場所にいたら、思い出もできない、ずっと今の自分のままなんだ」
観鈴:「そっか。それは悲しいね」
往人:「…だろ。だから夏はいつか終わる、そして新しい季節がやってくる」
観鈴:「秋だね」
往人:「そうだ」
観鈴:「秋も楽しいけどね。焼き芋食べたり」
往人:「なんだっていいんだな、おまえ」
観鈴:「うん」
往人:「節操(せっそう)のないヤツめ」
観鈴:「あ、ちょうどいい時間」
往人:「そっか」
観鈴:「ぶいっ」
往人:「これが当り前なんだ」
観鈴:「帰ったら、いっしょに遊びたいな」
往人:「ひとりで遊んでくれ」
観鈴:「ひとりはやだよ、いっしょがいいなぁ」
往人:「勝手なこと言うな。俺は忙しいんだよ」
往人:「始まるんじゃないのか?」
観鈴:「なんか終わった後に楽しみ欲しいな…」
往人:「わかったよ、だから早く行け」
観鈴:「ほんと?」
往人:「ああ」
観鈴:「じゃ、補習がんばれる」
往人:「頑張ってこい」
観鈴:「うん」
観鈴:「えっと…なにしよっか」
往人:「早くいけっ」
往人:「遅刻するぞ、バカ」
観鈴:「ごめん、よく聞こえなかった」
往人:「もういい。ゆっくり行け」
観鈴:「うん。じゃあ、待っててね」
往人:「まったく、なにをそんなにこだわってるのか」
※ ※ ※ ※
観鈴:『ひとりはやだよ』
往人の母:『その子はね、ずっとひとりで空にいるの』
往人:
「ずっと…一人か」
「この空の向こうには、翼を持った少女がいる」
「…それは、ずっと昔から…そして、今、この時も」
「同じ大気の中で、翼を広げて風を受け続けている」
「心の中にその姿が広がる」
「美しい光景。なのに、どうしてか、それは悲しみに満ちていた。」
「俺の旅の目的。この空に今もいるという、少女を探しだすこと」
「探しだして、そしてどうするかなんて決めていなかった」
「ただ、幼い日に母から聞かされて俺の中に生まれたイメージ…それを追い求めてるだけだった」
「それなのに、空にいる少女はいつも悲しそうな顔をしていた」
「悲しい色に染まった夢。空の蒼はいつの日も悲しみの色だった」
観鈴:『もうひとりのわたしが、そこにいる。そんな気がして…』
「もし、その少女がこの地上に降りていたら…」
「それは、観鈴のような姿なのだろうか」
往人:「ふっ、そんなことあるわけない」
10. 空の少女
観鈴:「これでおしまい。往人さん」
往人:「なんだ?」
観鈴:「トランプしよう?」
往人:「トランプ?どうして?」
観鈴:「帰ったら、いっしょに遊んでくれるって言った」
往人:「ん?」
観鈴:「だから私補習がんばった、帰ったら、往人さんとトランプしようって」
往人:「あのな…」
観鈴:「トランプしたいな…」
往人:「…わかった。やってやる」
観鈴:「ほんと?」
往人:「ああ。ほんとだ」
観鈴:「トランプ取ってくる。待ててね、出かけちゃダメだよ、絶対だよ」
往人:「ああ、わかった」
往人:「難しいルールのはやめてくれよ。理解できない」
観鈴:「うん。じゃ、神経衰弱(しんけいすいじゃく)は?」
往人:「ああ、それだったらわかる」
観鈴:「にはは」
往人:「どうした?」
観鈴:「ううん、なんでもない」
往人:「……?」
観鈴:「にはは…しっぱい」
往人:「おまえ、泣いてるのか」
観鈴:「泣いてないよ」
往人:「本当か」
観鈴:「もういっかい並べるね」
観鈴:「遊べる…がんばらないと…」
観鈴:「やらないと…わたし、がんばらないと…」
往人:「どうしたんだ、おまえ。具合悪いんだったら、休めよ」
観鈴:「大丈夫、大丈夫」
往人:「どうした、おい?」
大きな声で泣き出した
往人:「大丈夫か」
往人:「どうしたんだよ」
※ ※ ※ ※
往人:「なんなんだよ、アイツは…」
往人:「いきなり泣き出しやがって…」
往人:「いくらなんでも、もう泣きやんだか」
往人:「帰るか……ん?」
往人:「いつからいたんだ、アイツ」
往人:「おいっ…おいっ、どこいくんだよ。おいっ、観鈴!」
観鈴:「え?」
往人:「え?じゃないだろ、なに無視して、帰ろうとしてるんだよ」
観鈴:「えっと…どうしたらよかったのかな」
往人:「いつもの通り言えばいいだろ?」
観鈴:「なんて言ってたっけ」
往人:「おまえ、いつもなんでもいっしょにって」
観鈴:「いっしょ…」
往人:「だから今は、一緒に帰ろう、だろ」
観鈴:「そうだったね…」
観鈴:「でも、今そう言ったら…いっしょに帰ってくれるのかな」
往人:「今って…いまさらだな、おまえ」
観鈴:「今、言ったら、いっしょに帰ってくれるのかな」
往人:「ああ、俺も帰るところだったからな」
観鈴:「じゃあ…いっしょに帰ろ」
往人:「ああ」
観鈴:「ほんとう?」
往人:「ああ。腹減ったしな…」
観鈴:「往人さん、いつもお腹減ってる」
往人:「そうだな。食べた直後以外は」
観鈴:「にははっ」
観鈴:「機会があったらって」
往人:「ん?」
観鈴:「往人さんそう言ってた」
往人:「なに?」
観鈴:「初めて観鈴って呼んでくれた」
往人:「そんだったか?」
観鈴:「うん。観鈴って大きな声で…うれしかった」
観鈴:「ね、往人さんは友達」
往人:「違う」
観鈴:「わ…」
往人:「でも、そうなる可能性はあるかもな」
観鈴:「うん、よかった。それで十分」
※ ※ ※ ※
往人:「帰ってたのか」
晴子:「なんや、アンタもこんな時間まで起きとったんか」
往人:「なんか寝つけなくてな」
晴子:「飲むか」
往人:「いや、いい。それよりな…観鈴、どこか悪いのか」
晴子:「………」
往人:「今日、観鈴が突然泣き出して…どこか悪いのか?よくあることなのか、あれは?」
晴子:「はぁ………それで、あんたどうした?」
往人:「なにもしてない。ひとりにしておいただけだ」
晴子:「あんた、ようわかったなー。あの子の癇癪(かんしゃく)止めるには、それしかあらへん」
往人:「………」
晴子:「ちょっと引いたやろ?」
往人:「引くって…どういうことだよ」
晴子:「ふっ、考えてみぃ。あの子いくつや」
晴子:「あんな大きい子が、癇癪起こして泣き出したら、あんた、そら引くで」
晴子:「小さい頃から、ずっとや」
晴子:「誰かと友達になれそうになったら、ああなるねん…」
晴子:「病院とかで診てもらっても、治らへん」
晴子:「精神的なもんやろうし、大きぃなったら、みんな治る思うてたんや」
晴子:「なんで治らへんのやろうな」
往人:「それで、オレに…」
晴子:「ほんま、いつまでもあの子の友達でいたってや」
往人:「アンタ、無責任だな」
晴子:「…なんでやねん」
往人:「それは俺の役目か?母親の役目じゃないのか」
晴子:「…母親」
往人:「そうだ、母親のやることだろ」
晴子:「なんもしらんで、えらそうな口聞くな」
往人:「………」
晴子:「すまん…言い過ぎたわ」
往人:「………」
晴子:「あんた、ぶっきらぼうやけど、ほんまは根のいいやつやと思うわ。」
晴子:「だから、観鈴を頼むわ。うちでは、ダメなんや」
※ ※ ※ ※
往人:「やっぱりダメか…ちくしょう」
男:「あれ、もう終わりかい?」
往人:「……?」
男:「糸で吊ってるようには見えなかったが、どうやっていたのかな」
往人:「ソーラーパワーだ」
男:「はは…そんなわけないだろう」
男:「ね、もう一度、動かしてみてくれないか」
往人:「ああ。いいか、動かすぞ」
男:「ポケットの手は…出せないかい?」
往人:「出せる。いいか?」
男:「まぁ」
往人:「よし」
男:「それでも、人形は動くか…」
男:「すごいな。これはすごいと思うよ」
往人:「いや、そうか…?」
男:「ま、これでは子供は見向きもしないだろうが」
往人:「……っ」
男:「どれほどすごいことをやっていたとしても、楽しくなかったら子供の興味を引くことはできない」
往人:「………」
男:「こんな力を持ってるなら、職業を変えることをお薦めするよ」
往人:「余計なお世話だよ」
男:「ま、好きでやっているのなら仕方がないな」
男:「というわけで、君の発展を祈って」
往人:「何だよ、これ」
男:「お礼だ。じゃあな」
※ ※ ※ ※
往人:「ケーキ」
観鈴:「おいしそうだね」
往人:「観鈴」
観鈴:「どうしたの、これ」
往人:「いや、チップの代わりらしいが」
観鈴:「そうなの?よかったね」
往人:「なにが?」
観鈴:「だって、ウケたんでしょ?往人さんのお仕事」
往人:「くれたのは見知らぬ中年(ちゅうねん)の男だ」
観鈴:「はぁ…中年」
往人:「しかも、ウケたのかどうかは疑問だ」
観鈴:「そう…」
往人:「食うか?」
観鈴:「ううん、すぐお昼ご飯だから」
往人:「そうだなぁ、昼だな」
観鈴:「帰ろ、ラーメンセット作るから。今日はね、セットのご飯、チャーハンにするんだよ。で、デザートにこのケーキ」
往人:「そうだな。じゃ、帰るか」
※ ※ ※ ※
観鈴:「風が気持ちいいね」
往人:「ああ。そうだな」
観鈴:「翼があったらいいのに」
往人:「あったらなにするんだ」
観鈴:「あったら…この風を切って飛べる。あの雲の向こうまで見に行ける」
往人:「観鈴…」
観鈴:「夢を見るの」
往人:「…ん?」
観鈴:「夢を見るの、不思議な夢」
観鈴:「空の夢」
BGM:鳥の詩(ピアノ)
観鈴:「自分は空にいるの」
観鈴:「そこは見たこともない世界」
観鈴:「こうしていれば…自分の上に雲はある」
観鈴:「なのにそこでは、自分の足の下に雲が張りつめてる」
観鈴:「雲の隙間からは、海の青が見える。でも、そこまでがどれくらいあるのかもわからない」
観鈴:「どこも、無限に広がってる」
観鈴:「その空では、雲は逆に流れてる」
観鈴:「消えた場所から雲は生まれて、生まれた場所に消えていく…」
観鈴:「その繰り返しをじっと見ながら、わたしは風を受けてる」
観鈴:「そんな夢」
往人:「おまえは…誰なんだ」
観鈴:「わたし? わたし、神尾観鈴」
往人:「違う…その夢の中でだ」
観鈴:「それはやっぱり…わたしだと思う。もうひとりの…わたし」
往人の母:
『この空の向こうには、翼を持った少女がいる』
『それは、ずっと昔から』
『そして、今、この時も』
『同じ大気の中で、翼を広げて風を受け続けている』
『そこで少女は、同じ夢を見続けている』
『彼女はいつでもひとりきりで…』
『大人になれずに消えていく』
『そんな悲しい夢を、何度でも繰り返す…』
『女の子は、夢を見るの』
『最初は、空の夢』
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「大地坏灭,城市尽毁,死伤惨重;唯一语足志:胜利。」
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只用yahoo來通信!!
沒辦!!
那是什麼??
自己去群裡找
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水羊
不產羊毛!!只產水!
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来自:夢的世界
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[台湾省]
水羊
2011-07-23 21:55
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T
哇.......好長的文章........
廣播劇原來這麼長.......
幽影辛苦了~
觀鈴生日快樂~
水羊不可一日無牡丹!!!
你今天膜拜牡丹神了沒??
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太高档,不弄
不认识,什么来的
比较喜欢BBQ
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那天有心情才注册吧
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中花牌2B铅笔
问题铅笔
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[广东省江门市]
中花牌2B铅笔
2011-07-23 22:21
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t
T
可恶,我居然看不懂。。。才怪了
想起当时玩AIR的时候了。。。
话说生日贴有很多耶
想在终于看到KFC的恐怖实力了。。。
祝贺观铃生日快乐
结论:我翻你妹的H文本啊!我自己都不好意思看了啊有木有!这么多人去死为神马18X不去死啊!有没有考虑过初翻校对润色的感受啊!给我对全世界的初翻校对润色道歉啊!乃真以为H的拟声词真的好找吗!乃以为得一字一句认真看还要翻出来的staff不尴尬吗!喵了个咪最惨的就是像我这些直接ctrl的初翻啊啊啊!
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XXAkardoXX
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LZ辛苦了。。。
顺便祝贺观铃生日快乐,要永远幸福啊。。。
The Wizard Of Memory
Akardo
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